ブッダガヤ(佛陀伽耶)はお釈迦様がお悟りされた場所であり、入滅後この場所に立って私を思い出してほしいとお話になりました。その為佛教徒が巡礼する四大聖地の一つとなっています。
 ある時弟子のアーナンダ(阿難)が、「お釈迦様の在世中は直接教えを受ける事ができますが、入滅後は集まることがなくなり敬意を表することができなくなってしまいます。お釈迦様の説法を聞き、互いに励まし合い精進に励むことができなくなってしまいます」と訴えました。するとお釈迦様は、「私の入滅後に信心ある善男子は、私が生まれたルンビニー、悟りを開く事が出来たブッダガヤ、初めて説法したサルナート、入滅の地クシナガラの4ヶ所に立って私の事を思い出してほしい」とお説きになりました。 「これらの場所は信心のある善男子が見るべき処で、尊敬すべき処です。ここで如来は 降誕ごうたんされた、ここで如来は等正覚とうしょうがく(悟ること)を成せられた、ここで如来は無上の法輪を転ぜられた(この上ない佛法を広く説くこと)、ここで如来は無余涅槃むよねはん(肉体と精神が完全に消滅した状態)に入られた」と。今話したところは、「アーナンダよ、信心ある善男子が見るべく尊敬するところなのである。ここに出家と在家の佛教者は集まり来るべきである。 アーナンダよ、4つの塔廟の巡礼者として遍歴し、信心を持って命終みょうじゅうする者は、誰でも身壊れ死して後に、善趣天界ぜんしゅてんかい(良い天界)に生まれるであろう」と『南伝七 大般涅槃経』に説かれています。
 お釈迦様は6年間の断食や禅定による苦行で生命の危機にまで直面しました。苦行をやめて尼連禅河にれんぜんがでスジャータという娘から乳粥の供養を受けて、河縁にあるアシュバッタ樹の根元で悟りへと直結する禅定に入りました。現在ではマハーボディー寺院内の金剛座が悟りを開いた場所で、敷地奥の蓮池が悟りに至る禅定の前に沐浴した場所だとされています。
 マハーボディー寺院は、紀元前3世紀にアショカ王(阿育王)が悟りを開いた場所に石を置き、精舎を建立したことが元になっています。4世紀以降その上に寺院が創建されて、19世紀になり大増築されました。5~6世紀に建てられた高さ52mの塔は2002年に世界遺産に登録されています。また金剛座を覆うように枝を伸ばした菩提樹は当時の樹から4代目ですが、スリランカのスリー・マハー菩提樹(第80回感自在)は悟りの瞬間を目撃した菩提樹の株分けされた木がそのまま生命を継続していて、私達に世紀の瞬間を伝えています。

合 掌



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