公益社団法人acジャパンで「おむすびころりん一億個」のテーマでテレビ・ラジオ・新聞・雑誌等で報道されている事をご存じの方も多いでしょう。
内容は、(原文のまま)日本国内の食品ロスの量は年間およそ643万トン。これは、わたしたち一人一人がまだ食べられるおにぎり1個を毎日捨てているようなものです。
この問題を身近に感じてもらうべく、誰もが知っている童話「おむすびころりん」をモチーフに表現しました。と報道されています。(解説の中でも「おむすび」と「おにぎり」の表現が
、統一性がなく混同して使用されています)
さて、おむすび(結び)とおにぎり(鬼切り・握り)は何が違うのでしょうか。私たちが普段何気なく使っている言葉ですが、明らかに大きな違いがあります。
一つ目は形、二つ目は用途です。おむすびの形は、主に俵型又は球形です。用途は野良仕事のお弁当、旅行のお弁当など外出する時のお弁当です。だから現在でも駅弁のご飯は俵型に型押したご飯が詰められているのは、その名残です。
一方おにぎりの形は、三角形です。おにぎりの用途は人が亡くなったお通夜に作ります。江戸時代くらいから、お亡くなりになった遺体を墓地に埋葬するようになりました。
なぜ三角形にするのか。三角形の一片は、先に墓地に埋葬されているご先祖様の為、二つ目の一片は、お亡くなりになったご本人の為、三つ目の一片は当日のお世話役の為のお弁当です。だから三角形のおにぎりを沢山作ってお墓に持参し、
お供えした後、お弁当としてお墓で食べます。
その習慣を形に表したのがお亡くなりになったご本人の額に付ける三角のハチマキ(これを天冠 てんがんといいます)で、三角おにぎりの形です。
地域によって違いはありますが、民俗学的に伝えられてきた生活文化です。些細なことかも知れませんが、民族習慣の情報は正しく伝えていかななければならないと思います。
他にも日常生活で何気なく使用している言葉に違いがある筈です。衝立と屏風、桶と樽、醤油と溜り、牡丹餅とお萩、霰とオカキと煎餅、シャベルとスコップ、ファスナーとジッパーとチャック等どこが違うのか調べてみるのも面白いと思います。
合 掌
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