法隆寺の玉蟲厨子の向かって左側面に「
ひとりの菩薩が
「言ったのは確かに私だが、ここ数日何も食べていない。空腹で偈文どころではない。」
「では何をお食べになりたいのですか。何でも差し上げます。」
「そうかそれほどまで言うのなら、私の食べるものは人間の生肉と生血なのだ。いま飢えに泣いているような始末だ。」
「わかりました。それでは私の身体を差し上げますからどうか後の半偈を聞かせて下さい。」
羅刹は、厳かに後の半偈である「
この『涅槃経 聖行品』を和歌にしたのが「いろは歌」です。
色は匂えど散りぬるを「諸行無常」 花は艶やかに咲き誇っているけれど
我が世誰ぞ常ならむ 「是生滅法」 何れは散ってしまいます。私たちの人生も同じです
有為の奥山今日超えて「生滅滅已」 万物で満たされたこの迷いの山を越え
浅き夢見じ酔ひもせず「寂滅為樂」 はかない夢など見ていないで正しい教えを学びましょう
という事でしょうか。
合 掌
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