お写経について

薬師寺では昭和43年より白鳳伽藍復興のためのお写経勧進を行っています。

お写経は心を落ち着けるための仏教の修行のひとつです。お経を一文字一文字丁寧に書き写すことで心を落ち着け、自らの心のあり方を見つめる機会です。
ただ寄付を募るのではなく、昭和・平成の日本人の美しい心の結晶として、白鳳伽藍復興を続けています。

納経蔵

薬師寺のお写経はお納めいただくと復興されたお堂の中に永代供養されます。

令和元年6月に50年を迎え、勧進数850万巻を超えております。
しかし、いまだにご納経いただいていないお写経が多数あります。
薬師寺のお写経には期限期日はございませんので、お手元にお写経をお持ちのお方は、是非ご納経くださいますようお願い申し上げます。

お写経道場のご案内

お写経道場
奈良薬師寺でのお写経行事
薬師縁日 毎月8日 お写経会と法話
弥勒縁日 毎月第三日曜日 お写経会と月例まほろば塾
薬師寺東京別院でのお写経行事
薬師縁日 毎月12日 お写経会と法話
 

薬師寺建立を発願された天武天皇は、お写経の功徳による国家安穏と万人豊楽を願い、大蔵経のお写経をなさいました。
奈良薬師寺本山では、昭和43年より今日まで大勢の方に御縁をいただき、お写経をお納めいただいております。
お写経はご自分の悩み、健康、病気、また誕生日等感謝のお気持ちを表していただくのに良いと思います。
お納めいただいたお写経は、お供えし、お経をあげた後、大切に永代に渡りご供養をさせていただきます。

日時 毎日(日曜・祝日問わず) 午前9時開門 午後5時閉門(午後4時受付終了)
予約 個人で御来寺される時は、予約不要です
 団体様(7名様以上)は、ご連絡をいただきますと、お待ちいただくことなくお写道場にご案内させていただきます。
場所 法相宗大本山薬師寺  アクセス
持ち物 不要(用具は一式揃えております。当日は御納経料のみ2,000円をお納めいただきます。)
お写経の種類/
ご納経料
般若心経1巻 2,000円
薬師経1巻 4,000円
唯識三十頌1巻 5,000円

詳しくはこちら

特徴
  • 宗教・宗派を問わずどなたでもお写経していただけます。
  • 毛筆もしくは鉛筆をお選びいただけます。
  • お手本に用紙を重ね、お手本の文字をなぞるため、誤字の心配がありません。
  • 1巻を何回かに分けてお写経することも可能です(また、1巻をご家族で分けて書写することも可能です)
  • ご自宅でもお写経していただけます。
  • 般若心経のお写経を3巻ご納経された方に集印帳を発行します。
  • 記念品として、般若心経のお写経を108巻ご納経された方に「輪袈裟」を、216巻ご納経された方に「肩衣」を、
     500巻ご納経された方に「三蔵絵」を、1,200巻ご納経された方に「薬師絵」をお授け致します。

お写経の種類

般若心経

お釈迦様の教えのエッセンスを空の思想を中心に270文字に凝縮して説かれた経典。宗派や年齢層を超えて、全国の方々に広く書写されています。
また、お手本裏面には、お子様やお急ぎの方でも書き易い、文字数の少ないお写経「般若心経のこころ」のご用意もございます。

所要時間

約1時間〜1時間半

納経料

1巻 2,000円

集印帳(3巻目より発行)

般若心経集印帳

薬師寺のご本尊である薬師如来の守護神は、十二神将と呼ばれる十二の神々です。この十二神将の本地佛(本来の佛としての姿)である弥勒菩薩から釈迦如来まで十二の佛様のお姿に納経印を押させていただきます。

薬師経

薬師寺のご本尊である薬師如来が菩薩として修行中の時に立てられた十二の誓願と、その功徳が説かれた経典。薬師如来坐像の写佛がついている事が特徴で、約800文字。病気平癒、健康祈願をされる方にお勧めです。

所要時間

約3時間〜3時間半

納経料

1巻 4,000円

集印帳(3巻目より発行)

薬師経集印帳

宮毘羅大将から毘羯羅大将までの十二神将は、薬師如来の十二の大願に応じて現れる、薬師の分身とも言われます。また、十二神将と十二支が結びつき、薬師信仰が広まりました。この十二神将のお姿に納経印を押させていただきます。

唯識三十頌

インドの世親菩薩によって著され、中国の玄奘三蔵によって翻訳された600文字の法相宗の根本論書。一頌は、一句五文字の四句から成り、唯識の思想の核心が三十の頌(詩)にまとめられた論典。法相唯識教学を学びたい方にお勧めです。

所要時間

約2時間〜2時間半

納経料

1巻 5,000円

集印帳(3巻目より発行)

唯識三十頌集印帳

法相宗の始祖・玄奘三蔵は唐の都、長安を出発されてインドに向け17年の求法の旅をされました。「大唐西域記」によりますと、訪れた国は138カ国とされます。そのうちの高昌国から大唐国長安までの100カ国を選び、紀行図も掲載し編集された集印帳です。
玄奘三蔵の「不東」の精神にあやかり、一巻一巻、一歩一歩、行脚の道程を追体験していただけます。

はじめてのお写経

お写経の流れ

1

受付

  1. 受付にて申込用紙にご記入ください。
  2. 記入済みのお申込用紙を受付にお渡しください。
  3. お写経用紙と輪袈裟を受付にてお渡し致します。その折、各種お写経のご納経料をお納めください。
  4. 係が道場までご案内させていただき、道場にてお写経のご説明を致します。

2

入堂

道場入口にある「丁子ちょうじ」を口に含み、体内を浄め、道場に入ります。

丁子

 丁子は漢方薬の一種。お写経中は口に含んでおきます。

香象こうぞう」をまたぎ、体外を浄めます。

香象

象の形をした香炉。強くやさしい象は佛教と縁のある動物です。

3

お写経する

席につき、服装を整えて輪袈裟を首にかけます。机の上には、お写経道具の他に何も置かないようにしましょう。

お写経道場

薬師寺のお写経道場。誰でも気軽に利用できます。

お写経道具の中には、筆、墨、硯、水差しが入っています。使い方がわからない時は、僧侶または受付の職員に尋ねてください。

お写経道具

お写経道具は一式揃っています。

4

納経・退場

書き終わったら筆を置き、合掌して一礼し、お写経用紙を持って佛前に行き納経盆に納めます。佛さまの正面に座り、一礼します。お願いごとを心の中で唱え、佛さまにお伝えしましょう。使った道具はそのまま置いて席を離れます。お手本・お写経観念文をご希望の方は受付職員にお申し出ください(ご用意致しております。)。輪袈裟を外し、受付に返します。道場を出たところで、道場に向かって一礼します。

納経盆

納経盆。佛さまから見た方向にお供えします。

よくある質問

どんな時にお写経をするのがいいですか?

自分の悩み、苦しみなど誰にも相談できない時に、ご自分の思いをお写経にぶつけてみる事が一番の答えとなるでしょう。無心にお手本をなぞる事で落ち着きを得て、自分がなんと小さい事にこだわっていたのかを発見する機会があるはずです。お写経とはそれのくり返しです。

お写経をする時の心がまえは?

お写経をする時、何かがあって(例えば心配事など)書こうと思う時が多いですが、お写経をするからと身構える必要はなく、赴くまま用紙に向かってぶつける事です。そうすると自然に温和になると思います。

お写経をすれば願いが叶うのですか?

お写経の最後に「為」というところがあります。ここにお願い事、感謝の気持ち、悔い改める気持ち等をご記入ください。ただし、お書きくださったからと言って物事は簡単にいきませんが、ご自分の心の持ち方、考え方を方向転換する事も大切でしょう。お客様の中に“お願い事が叶いました”とお礼のお手紙をお書きいただいている事も事実です。

書き終わったお写経はどうすればいいですか?

薬師寺から送付している用紙であれば、薬師寺にお送りいただきますと永代供養をさせていただきます。個人の用紙でお書きいただいたものは、心をこめて書写していただいたものは粗末にせず、ご近所のお寺様などにお納めください。
もし、お納め不能な時は薬師寺にてご供養のあと、お焚き上げをいたします。

薬師寺に納めたお写経はその後どうなるのでしょうか?

納められたお写経は金堂のご本尊、薬師如来さまのご宝前にお祀りされ、勤行(おつとめ)によって願いごとが取り次がれます。翌日にはお写経道場にお供えされ、再び勤行で願いごとが取り次がれます。その後、千巻を一束とし、薬師寺の納経蔵に薬師寺が続く限りお供えし、永代供養されます。現在、永代供養されているお写経は850万巻にものぼります。長い年月にわたって供養されるお写経だからこそ、墨や鉛筆など、消えることのない筆記具でお写経をすることが大切です。

お経を見るのも初めてなのですがお写経はできますか?

お手本の上に用紙を重ね、文字をなぞる形でお写経をしていただきますので、初めての方でも問題なくお写経ができます。

どんな宗教・宗派でもお写経はできますか?

宗派につきましては、一切問いません。全世界の方にお書きいただきお納めいただいております。

子供でも、お写経出来ますか?

子供さん向けのお手本をご用意致しております。道場の受付でお申し出ください。

正座ができないのですが大丈夫ですか?

椅子席をご用意しております。

字が下手だとダメですか?

字には個性があります。お写経は自分を通して心で描きます。一文字一文字心を込めてお書きいただくお経は尊いものです。上手・下手は問題ではございません。

毛筆以外の筆記具でもお写経できますか?

鉛筆でお写経することもできます。お写経は長い年月をかけて永代供養されるため、消えることのない墨(毛筆)か鉛筆を使用していただきます。ボールペン・マジックなどは月日がたつと消えますのでご注意ください。

持ち物を教えてください。

お写経に必要な道具は道場に完備していますので、持ち物は特に必要ございません。

お写経の予約等は必要ですか?

ご予約は必要ございません。但し7名様以上でご来寺される際は、事前にご連絡頂けると、お待たせする事無くご案内出来ます。

時間はどれ位かかりますか?

筆に慣れている方と、慣れていない方では差があると思いますが、1時間〜1時間半を目安にして頂くと良いでしょう。

一度に書かなければダメですか?

お写経は、一日に一文字ずつ書くのもいいですし、家族で一行ずつ書いてもかまいません。お写経を行う時間も、自分の好きな時間でいいのです。ご自身が、心地よくお写経できる方法を見つけてください。

お写経の出来る時間は? 

年中無休です。午前9時開門 午後5時閉門(午後4時受付終了)となっておりますので、お写経の方は午後3時半頃までにご来寺くだされば、ゆっくりお写経していただけます。

お手本は持ち帰れますか?

お写経道場にあるお手本は、皆様にお使い頂く為のお手本です。お手本が必要な方は、受付で職員にお伝えください。お持帰り頂けるお手本をご用意しております。

持参したお経を納めることはできますか?

ご持参には2種類ございます。
薬師寺の用紙でお書きくださった用紙は永代に渡りご供養をいたします。
別の用紙でお書きいただいたお写経は、ご供養のあとお焚き上げいたします。