「金次郎は16歳の時母を失いました。やがて2人の弟は母の里に引き取られ、金次郎は万兵衛という叔父の家へ行って、世話になりました。
金次郎はよく叔父の言いつけを守り一日働いて、夜になると、本を読み、字を習い、算術の稽古をしました。叔父は油がいるのを嫌って夜学を止めましたので、金次郎は自分で油菜を作り、その種を町へ持って行って油に取り換え毎晩勉強しました。叔父が、本を読むよりはうちの仕事をせよ。と言いましたから、金次郎は夜遅くまで家の仕事をして、その後で学問をしました。
金次郎は20歳の時自分の家へ帰り、精を出して働いて、後には偉い人になりました。」
このお話は、昭和3年に発行された『尋常小学修身書』に登場するお話です。
薪を背負いながら本を読む姿の像で有名な二宮金次郎は、江戸時代後期の人です。現在の神奈川県小田原市
二宮金次郎の精神は、現代で必要な事ばかりです。
〇「大事を成さんと欲する者はまず小事を務むべし。大事を成さんと欲して小事を怠り、その成り難きを憂いて、成り易きを務めざる者は、小人の常なり。」
〇「それ小を積めば大となる。善悪と言っても、天が決めたものではなく、人間にとって便利かどうかだけの話である。」
〇「道徳を忘れた経済は、罪悪である。経済を忘れた道徳は、寝言である。人道は一日怠れば、たちまちすたれる。」
〇「誠実にして、はじめて禍を福に変えることができる。術策は役に立たない。」
〇「キュウリを植えればキュウリと別のものが収穫できると思うな。人は自分の植えたものを収穫するのである。」等解り易く説かれています。
私利私欲に走るのではなく社会に貢献すれば、いずれ自らに還元されるという「
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