お釈迦様は、お弟子様を集めて四種類の鹿の話をされました。
猟師が餌を撒くのは、鹿を長生きさせたり、
第一の鹿は、直ちに餌に惑わされて放逸になり猟師の思う壷に嵌る鹿です。
第二の鹿は、第一の鹿を見て恐ろしい餌を離れ、森の奥深くに隠れているが、やがて夏が来て食べ物が無くなると餌に釣られて放逸になり、猟師に捕えられる鹿です。
第三の鹿は、前の鹿の有様を見て気を付け、傍に隠れ家を設けておいて、餌を食べても放逸にならず、猟師の術中に陥らないが、餌の周りに罠を設けられていると、遂に罠にかかって猟師に捕えられる鹿です。
第四の鹿は、前の鹿の有様を見て、猟師の手の届かぬ処に隠れ家を作り、何事にも放逸にならず、罠にも掛からず、餌を食べて隠れ家に帰る鹿です。猟師も手の施しようがなく力の及ばぬ鹿です。
餌とは五欲の事、猟師とは悪魔、鹿とは修行者の事です。五欲に耽る修行者は、悪魔の
森の奥深く隠れるとは、人里離れた場所で質素な食事に身を支える事でありますが、夏が来て食べ物が少なくなり気力が弱ると、道を捨てて五欲に耽り悪魔の手中に嵌る修行者です。
餌の周りに隠れ家を作るという事は、五欲に帰らず注意深く放逸に陥らない事ですが、それでも世間の誘惑の罠にかかって悪魔の虜になってしまいます。
欲を離れ、不善を離れ、諸々の禅定(冷静で正しい判断の実践)に勤める事です。戒を守り、身を慎み、善業を重ね、小さな罪にも怖れを見出し、怠らず励むことです。
「敬い愛せられることを望むならば、
『猟師経 M.25Nivapa S』
合 掌
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