お釈迦様の十大弟子の舎利弗（しゃりほつ）舎利子（しゃりし）Ⓟサーリプッタ　Ⓢシャーリープトラは、マカダ国の王舎城（ラージャグリハ）の北にある那蘭陀（ナーランダ、ナーラカ）村の出身で、智慧第一のお弟子さんです。
　お釈迦様の十大弟子の目犍連（もくけんれん）目連（もくれん）Ⓟ モッガッラーナ　Ⓢマウドガリヤーヤナは、マカダ国の王舎城（ラージャグリハ）の北にある拘利迦（コーリカ、コーリタ）村の出身で、神通第一のお弟子さんです。優れた才能の持ち主であるサーリプッタとモッガッラーナは、幼い頃から大の仲良しでした。

　サーリプッタは、隣村に住んでいた親友のモッガッラーナと共に、バラモン教に捉われず自由に思考を巡らせて真実の理法を求めお釈迦様の弟子となりました。最初二人は懐疑論者（自由思想家）のサンジャヤ・ベーラッティプッタに弟子入りしましたが、「もし満足する師が見つかれば共に入門しよう」と誓い合いました。
　お釈迦様（ゴータマシッダールタ）は、お悟りになった「縁起の法」を最初五比丘にお説きになりましたが、その教えを聞いた五比丘は全く理解できませんでした。その内の一人であるアッサジ（阿説示）は、「ゴータマシッダールタは縁起の法を説き給う」と口ずさみながら歩いていました。すれ違いざまその言葉を耳にしたサーリプッタは、アッサジに意味を尋ねましたが、「私は聞いただけで、内容が全く分かりません。お連れしますから直接お聞きになってください。」と答えました。そこでサーリプッタはモッガッラーナを伴って竹林精舎に行き、お釈迦様から「縁起の法」を聞き即座に理解しました。二人は、サンジャヤの下を去り、250人の弟子衆を引き連れ、お釈迦様の弟子となりました。
　サーリプッタとモッガッラーナは、すぐに最高の悟りを得て教団の上首となりました。お釈迦様からの信任も厚く、時には師匠に代わって説法を委ねられることもありました。またある時、お釈迦様の弟子となったダイバダッタ（提婆達多）が、驕慢の心を起こし比丘500人を引き連れ象頭（ガヤ）山に籠り、佛教教団からの分離独立を企てた時、サーリプッタが出向いて説法し比丘たちを引き戻すことが出来ました。

　モッガッラーナは容姿端麗で一切の学問に精通していました。幼い頃からサーリプッタと仲良しで、懐疑論者（自由思想家）のサンジャヤ・ベーラッティプッタに弟子入りしましたが満足することがありませんでした。ある日、人々が遊び戯れている姿を見て、静かな場所を求め出家して真実の道を求めようと誓い合いました。
　モッガッラーナはお釈迦様の教化の邪魔をする異端者や外道を追放したため、多く恨みをかったり、佛教教団の一員であるダイバダッタの弟子に暗殺されそうになったり、迫害される事が度々ありました。またお釈迦様の弟子となり聖道を得て神通第一となりましたが、過去世に於いての悪業の報いを受け、最後は外道によって撲殺されました。

　サーリプッタとモッガッラーナの二大弟子は、お釈迦様よりも年長で教団の後継者となる人物でしたが、モッガッラーナは外道に撲殺され、サーリプッタは晩年に重い病に罹りナーラカ村に帰郷し、母に看取られながら病死しました。
　二人の弟子を相次いで亡くされたお釈迦様は、涙を流し声を上げて悲しまれたと言われています。

合　掌

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