日本人が礼拝している神様や佛様は豊穣をもたらすものであり、神佛の御宝前で
14世紀から15世紀(1348~1420)のヨーロッパで断続的に猛威をふるったペストは、ペスト菌という細菌により引き起こされ「黒死病」として知られる感染症です。当時推定で5,000万人が死亡したと記録されています。ペスト菌はネズミやノミの体内に生息しており、ペスト菌を持つネズミやノミに咬まれることで人間にも感染します。また、空気中に漂うペスト菌を吸い込むことでも感染します。
近年では19世紀に世界各地にコレラが広がりました。日本で初めて流行したのは、江戸時代後期の文政5年(1822)更に安政5年(1858)でした。コレラの流行は、多くの人々を不安と混乱に陥れました。コレラに感染すると激しい嘔吐、下痢が突然始まり、全身痙攣をきたし瞬く間に死に至る為「三日コロリ」と呼ばれ非常に恐れられました。当時は対策が全く無く、流行が自然終息するのを待つのみでした。コレラ対策は、日本の衛生行政の原点と言われていますが、当時の人々には戸惑いや混乱が生じていたのは当然の事でありましょう。その後のコレラ対策では、患者発生場所の消毒、交通の遮断、河川・井戸・下水・手洗・溝の清掃消毒等が実施されました。また飲料水や食物に対する注意も指導されています。一方この時期はコレラ退散を願って神佛に祈りを捧げ各地で神事や法要が営まれました。
また20世紀初頭には世界的にスペイン風邪が大流行しました。スペイン風邪は、大正7年(1918)から大正9年(1920)にかけ世界各国で極めて多くの死者を出したインフルエンザを原因とする流行病です。スペインは第一次世界大戦時、中立国でした。そのため情報統制がされておらず、流行が大きく報じられたことで発生地と誤解され、スペイン風邪と名付けられてしまいました。よってスペインが発生源という訳ではありません。 3年間で5億人が感染し、その中には太平洋の孤島や北極圏の人々までもが含まれていました。死者数は1,700万人から5,000万人と推計され、人類史上最悪の感染症の一つとされています。
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