道諦どうたいとは、
お釈迦様は苦しみをなくす方法について、「苦から逃れようと努力することではなく、苦を受け入れ正しく判断する事です」と説かれています。

八正道はっしょうどう(八聖道)とは、
一、正見しょうけん 正しく物事を見ること。自己中心的な見方や、思い付きにより偏った見方をしないこと。
二、正思しょうし 正しく物事を考えること。自己中心的にならず、真理に照らし物事を考えること。貪欲(貪りの心)・瞋恚(怒りの心) ・愚痴(不平・不満など道理をわきまえない心)という「意の三悪」を捨て去ること。
三、正語しょうご 正しく物事を語ること。妄語もうご(嘘)・綺語きご(実意のないお世辞)・ 悪口あっく両舌りょうぜつ(二枚舌)という「(語)の四悪」を行わないこと。
四、正業しょうごう 正しく物事を行うこと。佛の戒めにかなった善業をすること。殺生(生き物の生命を絶つ事)・偸盗(盗み)・邪淫(道ならぬ色情関係)という「身の三悪」を行わないこと。
五、正命しょうみょう 正しく生活する。衣食住の生活を正しく求めること。人に迷惑を掛けてはいけません。
六、正精進しょうしょうじん 正しく努力すること。目的に対して、正しく励むこと。偏ったり、拘ったり、とらわれたりしない素直な心で勤める。
七、正念しょうねん 正しく念ずること。お釈迦様の教えに従った心で、真実の姿を見極めること。
八、正定しょうじょう 正しく心を決定させること。外的要因や変化に迷わされることなく正しい判断をする。
八正道は、『六度集経ろくどじゅうきょう』や『観無量寿経かんむりょうじゅきょう』に説かれています。

「もし人 小智しょうち にして深く愛欲に著せる、これらをもっての故に苦諦を説きたもう。衆生心に喜んで未曾有なることを得、佛の説きたもう苦諦は真実にして異なることなし。もし衆生あって苦の本を知らず。 深く苦の因に著して暫くも捨つること能わざる。これらをもっての故に方便して道を説きたもう。諸苦の所因は、貪欲これ本なり。もし貪欲滅すれば、依止えしする所なし。諸苦を滅尽するを第三の諦と名づく 滅諦の為の故に道を修行す」 『法華経』譬諭品第三

 私たちは身口意しんくいの三ごうによって行為をします。身で犯す悪ごうに三つ、 )で犯す悪業に四つ、意で犯す悪業に三つ、合わせて「身三口四意三しんさんくしいさん」と言い、 十悪と言います。
 八正道のすべてに「正」の字がついていますが、「正しい」とは真理に合う調和のとれた考え方や見方や行動です。
高田好胤管長さんは、「かたよらない心 こだわらない心 とらわれない心 ひろくひろく もっとひろく これが般若心経 空の心です」と教えて下さっています。

合 掌



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